ちょっと時機に遅れたが、今週の火曜日は、原発被災者弁護団一弁団員の暑気払い。
一弁の団員は、50名ちょっと。そのうち20人ほどが参加。
私も、弁護団発足直後から、一弁の「人繰り」を担当してきた。
もともと一弁は、手弁当で弱者救済にあたるといったタイプの弁護士はごく少数であるが、この国難に弁護士業界が一丸となって被災者救済にあたらなければ社会の信頼を得られないということで、弁護団発足当初、私も、親しい後輩を中心に「ちょっと手伝ってよ」といって人集めをしてきた。
相当な労力を割かれる割に報酬はかなり少ない設定で、事務所の仕事の合間に事件処理をやってくれる先生や、独立後それほど時間が経っておらず事務所の経営に気を配らなければならないような先生に、無理なお願いはそれほどできない。ボスからの「弁護団を手伝ってこい」という業務命令で参加している団員や、弱者救済に命をかけている団員は、一弁の場合ほとんどいないのだ。
というわけで、無理なお願いは避けているつもりでも、各団員からはかなりの時間と労力の提供を受けている。しかし、みんな熱心に取り組んでくれる。金銭的なメリットは将来的にもほとんど期待できないと思うが、それでも団員の先生方には、なにがしかの形で見返りがあるような、そういう仕組みができないかと頭を悩ませている。弁護士激増時代に、上命下達とか善意頼みという昔ながらの形では、大がかりな仕組みは回せない。
ところで、弁護団に参加して個人的に強く感じたのは、弁護士各人によって裁判所に対する信頼に大きな差異があり、それがいろいろな場面での判断を大きく左右しているということ。ここにいう「裁判所」は、一人一人の裁判官のことではなく、人によっては「官僚裁判官制度の打破」と言ったりするところの対象としてのそれである。この視点を一つ持っているだけで、「どうしてこの弁護士はこういう主張をするんだ?」という疑問に対する理解の助けになることがわかった。
ちなみに、原発被災者弁護団では、現在のところ一件も裁判所に対して訴訟提起をしておらず、近々する予定もないはずです。
(facebookより転載)