先週、一弁の業革委員会コンピュータ部会とOA改修検討ワーキンググループ(OAWG)の合同暑気払いに出席。合同とはいえ、OAWGのメンバーは全員コンピュータ部会にも入っていたりする。OAWGは一弁の基幹システムの発注者側の担当者であり、普通の弁護士がしないような、業務フローの分析や、要件定義を詰めていく作業をやったりする。類似の業務ソフトなんてないので、フルオーダー。SQLサーバー上のデータを、.NET FrameworkとVBで作ったアプリケーションで操作する。
ところで、弁護士会の業務のシステム化はちょっと独特な配慮が必要で、事務方にヒアリングをしてデータベース化が必要なデータの洗い出しをしたり、オペレーションの担当者のリクエストでインターフェースの作り込みをするような単純なやり方では通用しない。幾人もの猛者達が失敗してきた分野である。 一体何が独特なのかというと、そもそもの制度がころころ変わるし、ルーチンワークで見ている情報以外の情報について「これどうなってる?」といきなり聞かれたりする。
これに対応するには、そもそも(リレーショナル)データベースというものにどうやってデータが収まっていくのかと、弁護士会の会務がどう変わり今後どういう情報が必要になりそうかの両方を、それなりに自分の頭の中で組み立てられないと、全く勝負にならない。これができる弁護士というのはほとんどおらず(一人でできるスーパーマンは全国に一人もいないかも)、一弁でも実質3人のチームで担当してきた。
そして、一弁の基幹システム構築にあたっては、プロからするとデータ格納の仕方にかなり無駄があるように思われるかもしれなかったが、そもそものテーブルの構造からかなり口を出させてもらった。このあたりについては、これまで、業者側と発注者側の両方でコンピュータシステム構築に関する訴訟に関与させてもらったり、はたまたシステム構築に関して仲裁人補佐という極めてレアな役割をやらせてもらった経験が、役にたったのかもしれない。
・・・そんなこんなで、一弁の基幹システムは、全面改修してから数年間、安定して会務を支えています。OAWGの自信作です。 ちなみにシステム化における本当の一番の敵は「費用」だったりしますが、そういう点からも一弁の基幹システムは優秀だったりします。
(facobookより転載)