東電OL殺人事件再審第1回公判・検察官が無罪意見: 桜丘便り
神山弁護士は,修習生や若手弁護士に対してこの事件について話すたびに,「間違っているのは最高裁だ。君たちは,最高裁がいつも正しいと思うような法律家になるな。」と言い続けてきました。 …
最高裁が一度は有罪判決を確定させた事件について、検察官が無罪の弁論をしています。ところで、最高裁の判断の持つ意味について、我々弁護士と一般市民の方とで、捉え方が違うような気がします。
足利事件・東電OL殺人事件の弁護人を務めた神山弁護士は、上記ブログによると「修習生や若手弁護士に対してこの事件について話すたびに,『間違っているのは最高裁だ。君たちは,最高裁がいつも正しいと思うような法律家になるな。』と言い続けてきました」とのこと。
実は、私が修習生のときに、うちのクラスに神山先生が特別講義に来られて、東電OL殺人事件を含めて超ハイテンションで語っておられました。ちょうど一審の無罪判決が出たあとのことです。内容をはっきり覚えているかというとそういうことではなく、クラスの友人のfacebookを見て、あ、そうだった、と思い出した次第です。話がすごい熱さだったことだけは、はっきり覚えています。そういう洗礼は、多くの修習生がどこかで受けて実務家になります。でも、最近の修習生はどうかな?
さて、判決自体は最高裁の判断で確定しますが、それはあくまで判決が確定するだけのこと。判決の確定によって物事が動き出しますが、疑いの目は、最高裁にも向けられていなければなりません。弁護団の一員として佐藤栄佐久前福島県知事の事件の最高裁決定を受けた直後だけに、より強くそう思います。