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法科大学院の地域適正配置について – 弁護士鶴間洋平の「新時代のプロフェッションを目指して」
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法科大学院の地域適正配置について

日弁連が、法科大学院に対する公的援助に関する声明を出している。「地方法科大学院及び夜間法科大学院の教育の質を確保する取組に対して、これを現実的かつ継続的に可能とするために別途所要の予算措置がとられること」を求めるものである。
http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/statement/year/2014/140605.html

私はずっと執行部側にいる人間だが(文句はいろいろ言うが)、この声明は、あまりにもイメージを共有できない。

まず、日弁連は司法試験合格者は1500人を目指すとしているが(宇都宮会長時代から変わっていないはず)、受験生のざっくり8割が3回司法試験を受けるうちに合格できるようにするには、単年度の合格率はざっくり50%くらいでなければならない。どうしてそうなるのかわからない人は、あまりに算数が弱すぎる。

さてそうすると、司法試験合格者を1500人とするのであれば、受験者数は3000人に抑えなければならない。少し譲って想定する合格者数をほぼ現状の2000人としても、受験者数は4000人に抑えなければならない。

以上を前提に現状を検討するため、平成25年度の司法試験の合格率順に法科大学院を並べ、受験者数の累計をとってみたものが、下の表である。
合格者数を2000人として受験者数を4000人とするなら、存続していいのは法政大法科大学院までの23校である。
合格者数を1500人として受験者数を3000人とするなら、上智大法科大学院までである。
このような現実を直視すると、法曹養成制度自体に対する信頼を速やかに取り戻すためには、「地域適正配置の理念」は、相当後退せざるを得ない。

しかも、うっかり受験資格を5年5回にしてしまったので、数年後はもっと厳しいラインになる。

仮に上位ロースクールの定員を少し削ってもらえたとしても、高裁管轄エリアごとに1つか2つ法科大学院を確保する、というところが現実的なラインである。そんなことは地域適正配置の観点から許されない、としか主張できないのであれば、残念ながら日弁連は法曹養成制度再建のためのプレーヤーとしてはふさわしくない、ということになるだろう。いつか座った「つんぼさじき」に一直線である。
早く正気を取り戻して欲しい。

順位 法科大学院等 受験者 最終合格者数 合格率 受験者数累計
1 予備試験合格者 167 120 71.86% 167
2 慶應義塾大法科大学院 354 201 56.78% 521
3 東京大法科大学院 357 197 55.18% 878
4 一橋大法科大学院 123 67 54.47% 1001
5 京都大法科大学院 246 129 52.44% 1247
6 愛知大法科大学院 28 12 42.86% 1275
7 首都大東京法科大学院 96 39 40.63% 1371
8 中央大法科大学院 442 177 40.05% 1813
9 早稲田大法科大学院 479 184 38.41% 2292
10 千葉大法科大学院 65 24 36.92% 2357
11 神戸大法科大学院 125 46 36.80% 2482
12 大阪大法科大学院 140 51 36.43% 2622
13 名古屋大法科大学院 120 40 33.33% 2742
14 北海道大法科大学院 150 50 33.33% 2892
15 大阪市立大法科大学院 106 35 33.02% 2998
16 上智大法科大学院 174 46 26.44% 3172
17 創価大法科大学院 88 22 25.00% 3260
18 岡山大法科大学院 70 17 24.29% 3330
19 九州大法科大学院 162 39 24.07% 3492
20 東北大法科大学院 173 39 22.54% 3665
21 同志社大法科大学院 190 42 22.11% 3855
22 山梨学院大法科大学院 46 10 21.74% 3901
23 南山大法科大学院 66 14 21.21% 3967
24 法政大法科大学院 143 30 20.98% 4110
25 関西学院大法科大学院 163 34 20.86% 4273
26 新潟大法科大学院 53 10 18.87% 4326
27 広島大法科大学院 101 19 18.81% 4427
28 琉球大法科大学院 32 6 18.75% 4459
29 香川大法科大学院 27 5 18.52% 4486
30 明治大法科大学院 354 65 18.36% 4840
31 金沢大法科大学院 39 7 17.95% 4879
32 青山学院大法科大学院 57 10 17.54% 4936
33 名城大法科大学院 58 10 17.24% 4994
34 島根大法科大学院 24 4 16.67% 5018
35 立命館大法科大学院 242 40 16.53% 5260
36 筑波大法科大学院 62 10 16.13% 5322
37 東洋大法科大学院 52 8 15.38% 5374
38 横浜国立大法科大学院 86 13 15.12% 5460
39 立教大法科大学院 121 18 14.88% 5581
40 熊本大法科大学院 49 7 14.29% 5630
41 関西大法科大学院 135 19 14.07% 5765
42 神奈川大法科大学院 43 6 13.95% 5808
43 甲南大法科大学院 75 10 13.33% 5883
44 成蹊大法科大学院 91 12 13.19% 5974
45 中京大法科大学院 26 3 11.54% 6000
46 学習院大法科大学院 63 7 11.11% 6063
47 広島修道大法科大学院 36 4 11.11% 6099
48 北海学園大法科大学院 28 3 10.71% 6127
49 信州大法科大学院 50 5 10.00% 6177
50 白鴎大法科大学院 30 3 10.00% 6207
51 西南学院大法科大学院 52 5 9.62% 6259
52 福岡大法科大学院 32 3 9.38% 6291
53 明治学院大法科大学院 96 9 9.38% 6387
54 専修大法科大学院 99 9 9.09% 6486
55 駒澤大法科大学院 38 3 7.89% 6524
56 愛知学院大法科大学院 39 3 7.69% 6563
57 桐蔭横浜大法科大学院 103 7 6.80% 6666
58 獨協大法科大学院 63 4 6.35% 6729
59 関東学院大法科大学院 32 2 6.25% 6761
60 東北学院大法科大学院 32 2 6.25% 6793
61 日本大法科大学院 149 9 6.04% 6942
62 大阪学院大法科大学院 37 2 5.41% 6979
63 國學院大法科大学院 59 3 5.08% 7038
64 近畿大法科大学院 41 2 4.88% 7079
65 久留米大法科大学院 42 2 4.76% 7121
66 駿河台大法科大学院 85 4 4.71% 7206
67 京都産業大法科大学院 51 2 3.92% 7257
68 龍谷大法科大学院 80 3 3.75% 7337
69 静岡大法科大学院 29 1 3.45% 7366
70 大宮法科大学院大学 96 3 3.13% 7462
71 鹿児島大法科大学院 35 1 2.86% 7497
72 大東文化大法科大学院 61 1 1.64% 7558
73 神戸学院大法科大学院 34 0 0.00% 7592
74 東海大法科大学院 53 0 0.00% 7645
75 姫路獨協大法科大学院 8 0 0.00% 7653