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法律事務所ホームページのSEOとグーグルサジェスト – 弁護士鶴間洋平の「新時代のプロフェッションを目指して」
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法律事務所ホームページのSEOとグーグルサジェスト

先般投稿しました田島寛之弁護士の氏名が某法律事務所のサイトに冒用されていた件ですが、同事務所から田島弁護士に回答があったそうです。

アトム法律事務所から回答がありました | 弁護士田島寛之のサイト

この問題は、単に田島弁護士と同事務所の間の問題にとどまらず、ネット社会における法律事務所の広告のあり方について、いくつもの難しい問題を示唆しているものと思いますが、それはひとまず横に置いておいて、グーグルサジェストとは一体何であるか、サイトにグーグルサジェストを自動で読み込むということはどういうことかについて、法律事務所の広告との関係も踏まえながら検討してみたいと思います。

グーグルサジェストとは、グーグル検索において、ユーザーの入力中であっても、検索キーワードの候補を表示する機能です。グーグル検索の利用者は、入力途中で表示されたキーワード候補を見て「お、このキーワードで検索してみるか」と思ったりしますので、グーグルサジェストの機能により候補として表示されたキーワードは、強く利用者を誘引します。この検索キーワードの候補は、キーワードとしての人気度によって選ばれると言われています。

そして、あるサイトが、グーグルサジェストによって表示されるキーワード候補による検索結果の中で上位に表示されると、そのサイトにグーグル検索の利用者を強く誘引できることになります。

グーグルサジェストによって表示されるキーワード候補は、専用のツールを使ってまとめて取得することができます。そして、まとめて取得したキーワード候補を用いてコンテンツを作成する、ということがSEO対策として取られることがあります。

さてここまでの話については、以下のページがわかりやすいでしょうか。

これは便利!!SEOに必須!!Googleサジェストキーワード一覧を取得してくれるツール5つ|ウェブシュフ

グーグルサジェストを利用したSEO手法について見たところで、某法律事務所の話に戻りますが、同事務所の田島弁護士への回答からすると、同事務所は、先般の投稿で説明しましたコンテンツ・ジェネレーターに、グーグルサジェストによって表示されるべきキーワード候補群を読み込ませることによって、グーグルサジェストのキーワード候補を含んだコンテンツを自動的に作成し、よってもってグーグル検索の利用者を同事務所のサイトに誘導しようとしたのでしょう。

かかる手法について、グーグルからのペナルティはさておいて、法律事務所における広告手法として問題になるのは、以下のような点だと思います。

1 グーグルサジェストにより取得したキーワード候補をコンテンツジェネレータに読み込ませる時点で、そのキーワードが自らの事務所が手がけている事件と関連するかどうかの判断がなされているか否か。

→同事務所も、内乱罪なんて手がけたことはないでしょうが、もし「内乱罪」がグーグルサジェストにより取得されたキーワードだとすると、このキーワードが、事務所が手がけている事件と関連するか否かを判断していないということになるでしょう。もちろん、弁護士の業務には「これまではやったことないけどできます」という業務もありますが、そういった読み取り方ができるような広告だったかどうかも問題になるでしょう。

2 グーグルサジェストにより取得した弁護士名をコンテンツジェネレータに読み込ませる時点で、自らの事務所に所属していない弁護士名がコンテンツに表示される可能性を認識できたか否か。

→これは、当然認識できたでしょう。

3 上記の仕組みが、誰が、あるいは誰の指示により構築されたのか。同事務所の指示によらないとすると、業者に対する監督責任があるか。

→依頼した業者が明確な指示を無視したなどの特段の事情がない限り、少なくとも監督責任は認められるのではないでしょうか。

上記のようなSEO手法による広告が、一般社会においては許容されるとしても日弁連における弁護士の業務広告に関する規程3条7号にいう「品位を害する」といえるか否か、かなり微妙ではないかと思います。

なお、同事務所のサイトを全体的に眺めると、日弁連の運用指針との関係ではもっと端的に問題な部分があるようにも見えますが、本エントリでは触れないこととします。

※本エントリは、あくまで私の見解を示したものにすぎませんので、ご了承下さい。