はてさて先日、私が親しくしている後輩弁護士が、全然関係の無い法律事務所のホームページに所属弁護士のように掲載されていたという事件が発生しました。
某法律事務所のホームページに、氏名を冒用されました。 | 弁護士田島寛之のサイト
ほかにも、有名なところだと、岡口裁判官をネタにした漫画などで有名な中村真弁護士も被害(?)にあい、FBでいろいろコメントされておられるようです。恐らくこの事件も漫画化されるでしょうから、楽しみに待ちましょう。
ちなみに、読んでも役に立つような内容が全くないこんなページを作成して、この法律事務所は、何の意味があるのでしょうか。
・・・ピンとくる人はピンとくると思います。
こういうページですが、弁護士に依頼したいと思った市民がグーグルで罪名・地名等とともに法律事務所を検索した際に、自分のサイトを上位に表示させるための仕掛けにすぎません。人が読むことは期待しておらず、グーグルのロボットが巡回してインデックスしてくれればいい、という仕組みです。
先般話題になった、この法律事務所の、私戦予備や内乱予備陰謀で取調を受けている旨の相談事案も、同じように、グーグルのロボットが巡回してインデックスしてくれればいいだけで、人に読ませようとするものではないでしょう。
いわゆる、コンテンツ・ジェネレーターを使ったSEOによる集客ですね。
SEOとは、Search Engine Optimizationの略で、日本語で言うと「検索エンジン最適化」です。コンテンツ・ジェネレーターを使ったSEOは、この業者さんのページがわかりやすいです。
ちなみにグーグルは、この手の「ズル」を嫌います。グーグルには、世界中のコンテンツのうち、利用者にとって読む価値の大きいコンテンツから順に検索上位に表示させたいという強い意志があります。この意志の強さが、他の検索サイトとの差を生み出して、ナンバーワンになり、オンリーワンになりました。
二昔前、SEO業者は、顧客のページを検索サイトの上位に表示させるため、リンク集だけ掲載したサイトを何百と乱立させて顧客のサイトにリンクを貼ることによって被リンク数を稼がせていましたが、グーグルはこういったSEOの手法に大きなペナルティを科しました。
その後も、検索エンジンのアップデートの度に、不誠実なSEOの手法にペナルティを科してきました。
某法律事務所のこういったSEO手法も、そのうちグーグルから大きなペナルティを科されるでしょう。
ところで、私の後輩弁護士が表示されてしまったのは、恐らくはSEO業者のミスだろうと思います。しかし、業者に依頼してSEO対策をしているこの法律事務所は、自分のサイトにどのようなコンテンツが掲載されているのか、きちんと把握しているのでしょうか。
そして、こういった手法で顧客を誘引しようとする姿勢は、一般市民からはどのように見えるのでしょうか・・・。
なお、この記事を読まれた弁護士の先生は、「ご自身の名前+弁護士」を一度グーグルで検索してみることをお勧めします。